「自然をなめてはいけない」とは?
以前も記事にしたことのあった「精油の飲用・原液塗布についてのシェア会」。
この会は
精油の誤った使用方法が日本において広まっているのではないか…
という現状に
久保田泉先生の発案により
セラピスト仲間の小林彩子さんが発起してくださったものでした。
その会がスタートでした。
第二弾として
久保田先生、小林彩子さんが主宰してくださった
グリーンフラスコ社の林真一郎先生を講師として
「精油の原液塗布・飲用はほんとに危険?」というセミナーが昨日開かれました。
申し込み開始から半日で満席となったこのセミナー。
関心の高さがうかがえます。
会場は出席者のアロマテラピーを愛する熱量でみちていました。
精油は薬にも毒にもなる。
わたしたちアロマセラピストは
精油の有効性とその危険性について学びます。
でも、ほんとのところはどうなの?
どうして危険なのか、どうやって説明すればいいの?
独りよがりなのではないかと
心の底がぐらつく感じがするのも事実…
日本におけるアロマテラピーを
黎明期においては安全な利用方法を立ち上げて
ずっと現場で見守っていらした林先生。
薬学としての化学的な見地から
どのようなお話しがうかがえるのか
とても楽しみに参加してきました。
化学的な視点において
精油のもつ危険性はあきらかです。
それしかありません。
林先生は「リスク」という言葉で
細胞毒性、代謝系、脳への影響を紹介してくださいました。
それにくわえてお話しくださった、
科学の分野では「絶対」は無い。
今この瞬間にも、これまでの常識が
新しく発見される知識によってくつがえされることがある
ことを念頭におくことが必要。
だからこそ
感じ取る「感覚」も大切。
という言葉を
化学者である林先生から伺えたことは
とても新鮮でした!
昨日の会場はアロマテラピーの学校のスタジオでした。
セミナーの様子を見にきてくださった宮川明子先生に
貴重なお話を伺うこともできました。
精油の瓶から嗅ぐ匂い(原液の塊)はよく感じられないけど
水の上に落した精油はここちよく感じられる。
という宮川先生の言葉もすとんと心のなかに落ちてきました。
水の波紋や波動の揺らめき。
(揮発性物質の)精油は自然界にある姿に薫ったときに
人は心地よく感じられる…ということ。
林先生と宮川先生のおっしゃることの
根底に流れているものは同じと感じました。
科学の裏付けがあるのだけど
感じ取る感覚を信用することも大切に養っていきたい…
それもまたアロマテラピーの神髄でもあります。
医療が予防医学にシフトしている現状において
精油の多様性がアロマテラピーの未来につながるとの
確信をもつことができたセミナーでした。
だからこそ
毒にもなりうる精油の持つちからを
人の助けになるものとして使えるセラピストでいたい。
そのためには
アロマテラピーに携わるおのおのが
学び続けていくことが必要なのだとも
ひしひしと伝わってきました。
ということで…
「自然をなめちゃいけない」は
林先生のブログのタイトル。
精油の原液をなめてはいけないということ…
もだけど
自然にたいして謙虚な気持ちで向き合う
ということでもあるのですね…
林先生のお話しを伺ったのは初めてでした。
ユーモアをまじえて、ずばりと核心を伝えてくださるセミナーは
最初から最後まで笑わせてくださいました。
最初の一言からもうファンになっていた私。
相手が喜んでくれることを大切にしていらっしゃる林先生は
宮川先生がいつも見せてくださるお姿と同じで…
私もそのような姿で
アロマテラピーにそのようにかかわっていきたい!
とも思ったのでした…
このセミナーを企画してくださった
久保田先生、彩子さん、
とても貴重な時間をありがとうござました。
ちなみに…
私が所属している日本アロマ環境協会(AEAJ)では
精油の希釈率はボディで1%になります。
この希釈率1%という数字は
精油のLD50(半数致死量)から体重換算して
割り出したからだと改めて教えていただきました。
(以前聞いたことがあったのに~忘れていました)
精油の収油率など
この自然界に存在する濃度を参考に考えてはどうか?
との宮川先生の示唆も
これから精油の瓶を手にするたびに
思い出していきそうです…