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プラド博士とキューバでの医療のおはなし

先週とても貴重なお話しを聴く機会をいただきました。

「アロマテラピーの学校」において

宮川明子先生が懇意にしていらっしゃるプラド博士の

お話しをうかがえる機会を作ってくださったのです。

宮川先生よりキューバのお話しをうかがうことは

何度かありました。

経済封鎖により医薬品が国に入らなくなったために

代替療法にたよらざるをえなかったということなど…

今回はじめてキューバの医療について

プラド博士ご自身からキューバにおけるお話しを伺うことができました。

そこでいただいた情報はあまりにも感慨深く

プラド先生がお話ししてくださっとことはどういうことなのか

まだ私のなかで咀嚼もできず、できるはずもなく

そしてそれはこれからセラピストとして

時間をかけて学んでいくことなのだと

ふかく心に刻みました。

この思いを忘れないように

まとめてみたいと思います。

なので長いです…

ソ連邦が崩壊し、キューバに外貨が入らないようになり

アメリカからの本格的な経済封鎖が始まりました。

それによって医療の現場では医薬品がまったく入らなくなってしまったのです。

暑い国です。 そしてアメリカによる伝染病作戦…

という陰謀論がうまれたように

伝染病の危機もなんどかあったようです。

プラド博士によると

そのような状況のなかでまず始めたのは「農業」

現代の西洋世界で薬のない世界を想像できますか?

製薬会社がつくる薬の代用品を手にするために

農地を拓き、薬草、ハーブを育て

芳香蒸留水、精油をつくり、生薬をつくり、ホメオパシー薬として利用しました。

それだけではありません。

医師たちは様々な伝統医療、代替医療を学びました。

プラド博士は西洋医学のドクターであると同時に

鍼灸医でもあり、オステオパシー医でもあり、

レイキ、東洋医学、アピセラピー、温熱療法などを

研究、指導するだけでなく

実際に治療に携わる臨床医でもあります。

日本では代替療法というベールがかかった呼称があるこれらの施術は

キューバでは代替療法ではないのです。

薬や最新の医療品が手に入らないキューバでは

それが診療の基本。

外科手術では麻酔がないために

鍼で痛みを軽減するのだそうです。

レイキもおこないます。

エビデンスがあるレイキは

キューバの医師が必修として学ぶもの。

トランプ政権によって経済封鎖はより強化された現在、

宮川先生によると

今まで送ることができていた船便でも

物資(医療品)さえ送ることができなくなった

と話してくださいました。

これまでの辛苦を乗り越えたキューバの医療現場、

そしてなお経済社会に壁のある生活。

でも、プラド先生は

笑顔が穏やかで満ち足りてとても幸せなように

わたしの目にはうつりました。

お話しを聴いていてなるほど…と思えてきました。

キューバではひとりの患者さんに

5,6人の医師が診断するのだそうです。

内科医だけでなく、虹彩を診断する医師、

オステオパシーの観点から身体を見る医師など…

キューバではホームドクター制をとっています。

町ごとに数人の医師が家族を受け持っている。

家族歴もすべて把握している。

遺伝はもちろんのこと、生活の背景、家族関係、食べ物の摂取の仕方…

一人に対しての問診も何時間もかけておこなう。

プラド先生についていった宮川先生が「もう帰ろうよ」というほど

飲まず食わずで4.5時間じっくりと相手にむきあって話を聞く。

そして社会主義のキューバでは

この手厚い医療が無料です。

人に向き合う姿勢、命まるごとの受け止め方。

キューバで一番に大切にしていることは何であるか…

医療現場としては恵まれていなくても

わたし達が望む命の在り方が

キューバでは実現できているのです。

何よりも家族の健康が優先される社会だと

うかがいました。

「教育」も必要だったとお話しされました。

どんな運動が身体によいのかなどのこどもたちに向けての講習。

朝は木が生い茂った広場に

みんなが集まってきて体操をするのだそうです。

ラジオ体操のような感じなのかな…?

20年も30年も続いていること。

なぜそうするのか?

自然のなかにいると年を取ったひとでも

健康だったときを思い出せるようになる。

いまの自分のことを忘れる時間、

健康だったときのことを

記憶として思い出すことがとても大切だと。

そして公園の木は

松のように芳香物質を放出する木を選んでいる。

(アロマティックツリーとおっしゃってました)

セロトニンを分泌させコルチゾール受容器官を刺激することで

朝に身体が目覚めることを促進する。

松、ローズマリー、レモングラスなどの

シネオールで視床下部の働きを助けることを利用する。

朝にたちのぼった芳香物質は蒸気となって

広場にいる人々に降り注ぎ身体を活性化し、空気を抗菌し、

それが上空まで届いたときに芳香物質を含んだ雲となり

また地上に降り注ぎ土地の微生物を育てていく…

なんて素晴らしい生きた循環システムなのでしょう。

そしてそれは、ちゃんと化学的な根拠に根差したものから

利用しているのだろうと羨ましくなりました。

日本だって多くの森林にめぐまれて

都市にも木を多く植えています。

でもね、そんな風に森林、木のもっている力を

使おうとしたことは無かった。

そう、わたしたちは意識しないでいても

その恩恵をたっぷりといただいているのだ…

そんなことに気づきました。

経済封鎖によって

何もないところから利用できるものすべてに

価値をみつけて積み上げてきたキューバ。

土地、環境とたしかなつながりによって生きている人々。

人に対する薬が入らないのだから

畑に使う農薬だってもちろんずっと使用していません。

なのでまったくのオーガニックな島。

だからこそより環境が大切なのでしょう。

日本では自然環境はあって当然のもので、

かえって便利さ、利潤追求するときに邪魔なもので、

自然とは切り離せないはずの健やかな暮らしにおける

自然のもつ力、価値に気づかず

手軽にはいる代用品でそこからは逃れられない環境を

自浄作用以上のもので汚している…

どちらが豊かなのでしょう…

と、おもいっきり主観が入ったところで

プラド博士の身体のみかた、治療について次の記事で

まとめていきます。

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