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緩和ケアとアロマテラピー

友人からの紹介でした。

お話を聞かせていただいたのは

京都医療センター緩和ケア科の畑亜紀子さん。

「アロマテラピーによるプルースト効果を介した記憶想起により苦痛緩和できた症例」

のパネル発表でした。

AEAJではアロマテラピートリートメントの施術の受け手は

健康な人に対してというガイドラインがあります。

高齢者施設でボランティアなどで

アロマテラピーとしてのハンドトリートメントをさせていただきますが、

その際にはタッチには十分注意しておこないます。

アロマテラピーは副交感神経を優位にすることにより、

介護の現場でとても有効な手段であるということを

アロマセラピストたちは体験をとおして実感しているにもかかわらず

現場でのアロマテラピーへの認知の低さから

高齢者施設へボランティアで出入りさせてもらうことでさえ

難しい現実があります。

反対の立場で考えるとよくわかります。

アロマテラピーに対しての一般的な現状認識では

アロマテラピートリートメントは受けることでプラスになる何かがはっきりとしない…

命を預かる現場では慎重になり

手を広げて迎え入れられることは難しいということ。

そして、何より、セラピストの質も問われているのだとも…

アロマセラピーにおけるトリートメントは治療行為ではありません。

でもセラピストならだれもが一度は思うこと…

医療従事の資格があればよかったのにという想い。

知識だけでなく資格があれば

可能になることがあるからです。

畑さんは看護師ではなくアロマセラピストです。

キャンサーリボンズのお仕事をしながら

理解ある現場の医師の方からきっかけをもらい

研究の一環としてトリートメントを始まられたと伺いました。

緩和医療という繊細な医療現場で

医療従事資格者でない畑さんが

受け手の身体の状態や精神的な対応を任されて

アロマテラピーを実行されていることは

信用信頼されている証しでもあります。

畑さんからの言葉で印象的だったのは

「受け手の方々は

医師や看護師に言えないことをセラピストに話してくれる。

それをフィードバックすることで

豊かな医療に反映することができる。

それは看護師ではできないことではないかと思う。」

という言葉でした。

経験の中でセラピストとしての立ち位置を確立された

とても力強い言葉でした。

畑さんの発表の内容は

現在行っているトリートメントにおいて

触られている心地よさというだけでなく

匂いから苦痛が緩和されるというエビデンスを

集められたものでした。

最初は受けることに消極的だった男性の方は

森林系でブレンドした香りで、

趣味であった山歩きを思い出されたということでした。 

それからはトリートメントを受けることを

心待ちにしてくださり、山歩きの思い出も話してくださるようになったそうです。

ときに「まるでふわりと山を歩いているようだ」ともお話しくださったとか。

その方にとってどんなに豊かな時間になったことでしょう…

畑さんとお話させていただいて

アロマテラピーができることに大きな可能性も感じました。

何より、畑さんのように努力を積み上げて実績とエビデンスを形にして

残してくださる方々がいらっしゃることが

アロマテラピーの認知を広め深めていくことにつながるということ。

セラピストにとってということではなく

受け手の方々がこれからアロマテラピーを受ける機会が多くなるという可能性に

感謝しかありません。

わたしになにができるのか…

考えていきたいと思います。

緩和医療として代替医療の可能性は無限にあると感じました。

そして現場では、何をどのように取り入れていけばいいのか選択する課題もあるし、

また、正確な情報も不足していると感じました。

音楽療法士には資格があることも、苦痛緩和への効果があることも

緩和医療への意識が高い医療従事者さえ知らない現実がありました。

鍼の癌への効果はアメリカでは発表されていても日本の鍼灸師への教育という

ことでの連携がなされてないという意見も発表されていました。

今日は一日、命について、生きることについて考える機会をくれた

友人に深く感謝しています。

ありがとう…

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