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精油にむきあう気持ち

自分の好きな匂いを嗅ぐと幸せな気持ちになる。

そして身体がととのっていく…

その時に心地よいと感じる匂いを探っていくことは

自分の核となるものに向き合うことで

自分をみとめて大切に愛することになる…

他所からの押し付けではなく

自分が主人公になるアロマテラピー。

私がアロマテラピーに惹かれる

大好きな理由のひとつです。

そして多くのひとにその心地よさを

知ってもらいたいと思っています。

心地よさを感じていただくためには

アロマテラピーは

安心して受けられる安全なツールでなければなりません。

精油の原液塗布がなぜ危険なのか…

精油は「よい匂いの液体」だけではないことを

知ってもらうことが大事だと思っています。

ここから長いです…

 

精油とは

植物が命を守るために、次の世代に命をつなげていくために

水と酸素と光を原料として作り出した

数十から数百にもなる揮発性の有機化合物の集合体になります。

フィトテラピー。

植物は生まれたその場所から動くことができないので

養分を自ら作りだし貯蔵するだけでなく

環境に応じて身をまもる薬をつくったり

花粉をはこんでくれるように他の生き物をさそうよい匂いを作り出す。

多湿のところであれば腐らないようにかびないように

抗菌、抗真菌作用のあるものを作りだす。

日差しの強いところであれば、からからに干上がらないように

抗酸化作用のものを作りだす。

よい匂いは蜂や蝶を呼ぶためのもの。

また害のある虫が来ないような物質も作ります。

これらの有効な成分は

花や葉、茎、皮、幹、根などの組織から

有機化合物のみを取り出すことによって

精油という形になります。

精油とは

その植物がその植物らしく精一杯生きた結果の

いのちそのもの。

いまだに解明することのできない

神秘的な複雑な仕組み…

精油を構成している

有機化合物の種類も割合も解析が困難なために

同じものを

化学物質を合成して作ることは不可能だと言われています。

そして精油には

同じ畑、同じ植物が原料でも

その時々の天候による植物の育成具合によって

産生される有機化合物が変わるため

匂いまでも変わってしまうという

とても繊細な性質があります。

そのため精油のひと瓶ごとには

含まれた内容物を明確にするために

ガスクロマトグラフィーで検査した

成分分析表が付けられます。

(成分分析表が精油のただ一つの品質の証明になります。)

精油は

凝縮された有機化合物の集合体なので

1滴でも秘めている力はパワフルであらゆる可能性があります。

分析しきれないほどの物質が含まれています。

精油を匂いとして利用するアロマテラピーは

身体への負担は軽く安全な利用方法といえます。

反面、トリートメントなどで皮膚に塗布する

精油の経皮吸入には注意が必要です。

精油は親油性があるので

皮膚に浸透して毛細血管にはいり

体中をめぐってから

腎臓、肝臓をとおって排出されます。

何度もいいますが

精油は植物がいのちを守るために作り出した

有機化合物の塊です。

なかには

ケトン類、アルデヒド類 フロクマリンなどが

多く含まれているために

取り扱いに注意が必要な精油もあります。

精油に有効な成分が認められているからといっても

刺激がとても強いため

皮膚に原液塗布することにより

感作性を起こしアレルギーを発症させる危険性があります。

そのうえ刺激の弱い精油であっても

状況によっては

ある物質だけが表皮にとどまり

刺激を与え続けることも考えられます。

また原液で使用するということは

希釈しない分多くの精油を体内に入れることにつながり

血管だけでなく通過する臓器、肝臓、

最後にろ過する腎臓に負担をかけることが予測されます。

そのような点から

日本アロマ環境協会では

精油を皮膚に塗布をする場合、

基材で希釈することを原則としています。

安全基準は濃度1%(ボディ)。

通常のオイルトリートメントだったら

全身に対して1回4~6滴(2~3mm)になります。

精油は親油性のため植物油にうまく希釈されます。

身体に精油を安全に運んでくれるために

希釈する植物油のことをキャリアオイルともよびます。

基材としてはアルコールやジェルなどでもうまく希釈されます。

原液での飲用、服用においても同じこと。

禁止しています。

そして私がトリートメントで気をつけていること。

皮膚には個体差があり、また同じ人であっても日により皮膚状態は変わります。

精油の質も、その時の気温や湿度などの条件によって変化します。

マニュアルを守っていたら絶対に大丈夫!

という使い方ができないのが精油。

 

アロマテラピーは医療や治療ではありません。

その一方で、精油に"くすり"としての効果が認められてもいます。

精油に向き合うとき忘れてはいけないのは

精油には"くすり"としての一面があるということ。

"くすり" は適切な量でないと

"毒" になってしまうということ。

精油の原液塗布は

自然の恵みである精油を

"毒"としてしまう可能性が大きいということ。

精油の原液塗布の推奨は危険であり

日本のアロマテラピーを危うくすると

考えています。

 

精油の一本一本には

いのちの輝きがつまっている。

その一本に出会えたことを通して

その植物が育っていた場所や時間に思いをむけてみる…

私がアロマテラピーで学んだことは

精油から

自然、地球、宇宙の神秘を感じて

その恩恵をありがたく享けとる…

ということです。

梅雨の合間、

強く甘い匂いを漂わせる花々…

雨に負けないように匂いを漂わせているのね♡と

思ってしまいます。

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